オプション取引から考える今後の値動き

今週の振り返り

今回はオプションの動きから考えられる値動きについて記載していきます。

この記事に書いてあること。

  • SKEW指数とVIX指数:両指数ともオプション取引の状況を示す指数
  • SKEW指数とVIX指数の動き:SKEWは下落、VIXは上昇
                  →株価が上がると考えている人が多い。
                   しかし、下がった場合は大きく下落する可能性大

SKEW指数とVIX指数

コールオプションとプットオプション

SKEW指数とVIX指数の説明の前にコールオプションとプットオプションについて記載します。

コールオプション(買う権利)

ある期日迄に決められた価格で買う権利の事を意味します。

下記図のように4月1日に380ドルでVOOを買う権利(コールオプション)を購入。
9月1日に410ドルを付けた際に4月1日に購入した380ドルで買う権利(コールオプション)を行使します。
権利行使後すぐに売却すれば差額の30ドルが利益となります。

上昇相場時に利益が出るオプションです。

プットオプション(売る権利)

ある期日迄に決められた価格で売る権利の事を意味します。

下記図のように1月5日に440ドルでVOOを売る権利(プットオプション)を購入。
5月20日に350ドルを付けた際に1月5日に購入した440ドルで売る権利(プットオプション)を行使します。
権利行使で90ドルの利益となります。

下落相場時に利益が出るオプションです。

SKEW指数とは

SKEW指数とはS&P500指数を対象とするオプション取引でコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の需要の強さを示す指数となります。

SKEW指数が上昇すればプットオプションがコールオプションより需要が強い事を意味します。
つまりは、S&P500指数の下落に備えている人が多い事を意味します。

逆にSKEW指数が下落すればコールオプションがプットオプションより需要が強い事を意味します。
つまりは、S&P500指数が上昇すると考えている人が多い事を意味します。

VIX指数とは

VIX指数とはS&P500を対象とするオプション取引の価格を元に算出される市場がどのような変動を見込んでいるのかを示す指標です。

VIX指数が上昇すればボラティリティが高く、オプション価格が割高で取引されている事を意味します。

逆にVIX指数が下落すればボラティリティが低く、オプション価格が割安で取引されている事を意味します。

直近のSKEW指数とVIX指数の動き

下記チャートのように直近のSKEW指数は下落、VIX指数は上昇しています。

SKEW指数の下落はコールオプションがプットオプションより強い事を意味します。
また、VIX指数はオプション価格の割高(需要が強い)事を意味しています。

つまりは、コールオプションの需要が強く・割高で取引されている事が読み取れます。

市場はS&P500が底値であると考え、コールオプションを購入している人が多いと思われます。
しかし、プットオプションを買っている人が少ないという事でもあり、下落に際しての備えができていない事も同時に意味しているのです。

そのため、市場としてはS&P500がこれから上昇すると考えている人が多い反面、下落に対して備えている人が少ないため、株価が下落した場合は大きく下がる事が考えられます。

今回はオプション取引指数から考える今後の値動きについて記載してきました。

次回もよろしくお願いします。

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