買い場は10月にやって来る??

今週の振り返り

今回は11月にアメリカ中間選挙、中国の党大会等を控えた中、直前の10月に買い場は来るのかについて記載していきたいと思います。

この記事に書いてあること

  • アメリカ選挙前の直近高値からの下落率は平均-4.4%(2010年以降)
    6回中5回は下落を記録。唯一上昇した年の上昇理由はFRBの緩和継続が明確化されたため。
  • 中国党大会を機にゼロコロナ政策から経済との両立に変化する可能性
  • 23年4月の黒田日銀総裁任期切れ。市場が織り込み始める可能性。

アメリカ中間選挙

今年の11月にアメリカの中間選挙が行われます。
バイデン大統領1期目の中間選挙となり、インフレ対応等で後手に回っている民主党バイデン政権は劣勢を強いられ、共和党優位の展開が予想されています。

過去の大統領選挙及び中間選挙を振り返るとS&P500は平均で直近高値から-4.4%の下落(2010年以降)を記録しており、6回中5回の確率で下落しています。
これは、選挙展開等予想がされていても実際にはどうなるか開票されるまでは分からない事と、政治的不透明さを株式市場は嫌うため一時的な下落を記録することが多いと考えられます。

2020年大統領選挙・2018年中間選挙

2020年の大統領選挙は大統領2期目を狙うトランプ大統領とバイデン大統領による大統領選挙となりました。
結果は民主党バイデン大統領が勝利し、与党が共和党から民主党に移りました。
この時の株価は直近高値から-10.5%を記録しています。

2018年の中間選挙はトランプ大統領1期目の中間選挙でした。
結果は上院は共和党、下院は民主党が過半数を獲得するねじれ状態となり、トランプ大統領の政治運営が難しくなる結果となりました。
株価は直近高値から-11.4%を記録しています。

2016年大統領選挙・2014年中間選挙

2016年の大統領選挙はオバマ大統領が2期目の任期切れに伴い、民主党から出馬したヒラリークリントン氏と共和党からは出馬したトランプ氏が大統領選挙を争いました。
結果はトランプ氏がクリントン氏を破り大統領に就任。与党が民主党から共和党に移りました。
株価は直近高値から-3.6%を記録しています。

2014年はオバマ大統領2期目の中間選挙となりました。
元々民主党が劣勢を強いられると予想されていましたが、それでも負け幅は最低限に食い止められるだろうとされていた選挙でした。
結果は、上院・下院とも共和党が過半数を獲得し、民主党が予想を裏切り大敗する形となりました
株価は直近高値から-9.8%を記録しています。

2012年大統領選挙・2010年中間選挙

2012年はオバマ大統領が2期目を目指す大統領選挙となりました。
接戦が予想されており、最後までどちらが大統領になってもおかしくないと言われていました。
結果は大差で民主党オバマ大統領が勝利、オバマ大統領の2期目が決定し与党は引き続き民主党となりました。
株価は直近高値から-5.2%を記録しています。

2010年はオバマ大統領1期目の大統領選挙となりました。
大統領1期目の中間選挙は与党には厳しいという定例的な物もあり、与党である民主党には厳しい予想がされていました。
結果は上院は民主党、下院は共和党というねじれ状態となりました。
株価は直近安値から13.9%の上昇を見せています。

2010年の中間選挙は2010年以降選挙前に唯一の上昇を見せた年となります。
理由は2008年以降の金融緩和の出口戦略が2010年4月以降のFOMCで議論されていましたが、2010年8月のFOMCで再度金融緩和を続ける姿勢を発表し上昇に転じたためだと思われます。

中国党大会

5年に一度開催される中国共産党の基本方針を定める党大会が今年の11月に開催される見通しと報道されています。
国会に相当する全人代より上位に位置付けられており、国家の重要方針を決める場となっています。
そして、今年開催される党大会は習近平氏の異例の3期目を決める党大会となります。

3期目を運営していく中で大きな障害となっているのが経済不振による人々の生活悪化です。
中国共産党による一党独裁が成り立っている理由の一つとして、生活向上への期待感が一つの源泉であると言われている中、直近の中国はゼロコロナ政策により、経済への打撃が大きく若者の失業率が18.2%(22年4月)と過去最高を記録しています。

また、最近の中国はコロナ対策への姿勢を変えており、入国者の隔離期間を14日から7日に短縮しています。
そのため、党大会が転換点となりコロナと経済の共存へ舵を切る事も十分考えられます。

コロナとの共存が掲げられ、コロナ対策の規制が緩和されれば、サプライチェーン改善が見られれば世界的なインフレの鎮静化にも繋がります。
また、世界第2位のGDPを占める中国自体の景気回復は世界経済の回復にも繋がるため株価上昇にも寄与することが考えられます。

日銀総裁

現在、日銀総裁を務められている黒田総裁の任期が23年4月8日で切れ、新総裁へ引き継がれる予定となっています。
黒田総裁は13年3月に日銀総裁に就任され、安定的な2%の物価上昇を目標に金融緩和政策を続けて来られました。
そして、現在2%の物価上昇を達成しましたが、近年稀に見る物価上昇に対する日本国民の不満等を背景に金融緩和政策による円安進行が問題視されています。
こうした背景から金融緩和から金融引き締めへの政策転換すべきではないかと議論されています。

しかし、黒田総裁は会見等で金融緩和を継続することを表明しており、23年4月の任期満了まで金融緩和を継続するのではと予想する人もいます。
そこで注目されるのが次期日銀総裁に誰が就任するかといった事です。
相場は半年先を織り込むと言われており、黒田総裁が初就任された13年3月の時も半年前にドル円は77円をつけ、そこから103円まで上昇しています。
そのため、次期総裁の金融に対する考え方によりますが、23年4月の半年前の今年の10月にドル円相場が転換する可能性があります。

今回は今年の10月に買い場が来る可能性について記載してきました。

また、次回もよろしくお願いします。

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