今回は12月9日に発表されたアメリカPPIと12月15日にあるFOMCのポイントについて記載していきます。
この記事に書いてあること
- PPIは対前年比において予想を上回る結果となったが、下落トレンドは継続。
- 12月FOMCは0.5%利上げがコンセンサス。
- ドットチャートが一番のポイントとなる。(ターミナルレートがどうなるか)
- 12月FOMCで一旦利上げは織り込み、景気後退懸念へ市場の視点はシフトする。
PPI(生産者物価指数)
今回はPPIがCPIより先に発表されることもあり、注目度が高くなっていました。
そんなPPIの結果は以下の通りとなりました。
総合・コア共に予想を上回る結果となりました。
しかし、対前年比においては10月値より低く、22年6月以降の下落トレンドは維持しています。
PPIにおいては22年6月にピークをつけており、11月PPI発表を持って5か月連続の下落となっています。
今回は11月分CPIより早い発表となったためPPIにも注目が集まりました。
今回の結果を受けS&P500先物は1.5%下落する形となりました。
その後現物市場に入っても弱いまま推移し-0.73%の3,934.39で終了しています。
12月FOMCポイント
政策金利
12月FOMCでは現在利上げ確率を予想するFed watchでは0.5%の利上げが78.2%となっており、コンセンサスとなっています。
また、現地時間12月5日に発表されたWSJの観測記事ではターミナルレートが投資家の想定より高くなると記載されていましたが、利上げ幅については0.5%になる可能性が高い旨が記載されています。
上記ツイッターリンクのニックティミラウス氏はFed watcherとして有名で、FRBからの観測記事を記載する事が多いです。
重要なのはドットチャート
12月FOOMCの目玉はドットチャートの発表です。
ドットチャートとは3か月に1度発表されるFRB高官による年末の金利予想を示すものです。
23年末のドットチャートに示される金利が今回利上げのターミナルレート(利上げの終着地点)となる可能性が高いため、注目度が非常に高くなっています。
前回発表された9月FOMCのドットチャート中央値は4.625%となっています。
しかし、パウエル議長はターミナルレートはこの予想より高くなると発言しています。
この発言を受け現在市場ではターミナルレートが4.75%~5.25%の間になると予想されています。
また、パウエル議長はターミナルレートの水準で金利を維持し、インフレの抑制を図る事も明言しており、23年中はターミナルレートで金利水準は動かないと予想されています。
しかし、24年末のドットチャートは23年末のドットチャートより低くなっており、24年には利下げ局面を迎えているとFRB高官は予想してるのです。
FRBによる政策金利の利下げ、金融緩和局面は景気悪化の状況を示しており、早ければ23年末には景気後退局面に突入している可能性が考えられます。
そして、12月FOMCでのドットチャート発表を持って当面の金融引締め材料が揃うことになります。
そのため今回のドットチャート発表を持って市場は利上げから景気後退の有無や時期に焦点を移す事になると思われます。
今回は11月分PPIと12月FOMCのポイントについて記載しました。
また次回もよろしくお願いします。
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