怪しい雲行きを示す米GDP

今週の振り返り

今回は木曜日に発表されたGDPについて見ていきます。

この記事に書いてあること

  • GDPは予想を上回る良い数値だったが中身を見ると期待ができない
  • 個人消費は物への消費が少なく、サービス関連が牽引
  • 企業投資は在庫の積み増しが牽引しており、それ以外は冴えない結果に
  • 23年後半のリセッションに向け今後のGDP減速スピードに注目が集まる

アメリカ2022年第4四半期GDP

2022年第4四半期GDPの結果

2022年第4四半期のGDPが発表されました。
結果は以下の通りとなりました。

実質GDPは予想の2.7%を上回り2.9%となりました。
内訳の個人消費は予想2.7%に対して2.1%と弱い結果となりました。

GDPの明細

アメリカ商務省が発表した明細を確認していきましょう。

個人消費

アメリカの個人消費はアメリカGDPの7割を占めており、アメリカ経済を牽引しています。
そのためGDPの内訳の中で最も重要な項目であると言えます。

その個人消費の内訳は以下の通りとなりました。
個人消費の内最も高かったのはサービスへの支出で2.6%となっており、物への消費は少なく、耐久財が最も低く0.5%でした。

民間投資

民間投資は+1.4%と前回の-9.6%から上昇しました。
しかし、民間企業投資の内訳を確認すると最も寄与度が高かったのは在庫の積み増しとなっており、それ以外の項目は冴えない結果となりました。
この在庫積み増し寄与度は個人消費寄与度を上回る数値となっています。

特に住居に関する項目は-26.7%と第3四半期に続いて非常に弱い数値となりました。

その他

輸出入に関しては、輸出・輸入共に減少しましたが、輸入の減少幅の方が大きく、純輸出(輸出-輸入)が増加しGDPにプラスの寄与をもたらす結果となりました。
今後は中国経済の回復期待がある一方でヨーロッパのリセッション入りは確実との見方があり、世界経済の先行き不透明感があるため、あまり期待ができない状況となっています。

政府支出は+3.7%と堅調でしたが、中間選挙により上院が民主党、下院は共和党が過半数を確保するねじれ議会となっているため今後の法案が可決しにくくなり、財政支出が落ち込むのではと予想されています。

トータルで見ると…

今回のGDPをトータルで考えると個人消費はサービスが良いだけでその他は冴えない結果に。
企業の在庫積み増しが個人消費を上回る寄与度を示すも、いつまでの積み増しを続けるとは考えづらく継続性がない結果となりました。
また、住宅市場の弱さがGDPの細目からも伺える結果となり、あまり良い内容ではなかったと言えます。

今回の発表内容は2022年第4四半期の結果であり、米経済のリセッションは23年後半からとの予想がされており、今後のGDPの減速スピードが注目されると思われます。

今回はアメリカGDPについて記載しました。

また、次回もよろしくお願いします。

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