今回は市場の政策金利予想が1月から変化しつつある事について記載していきます。
この記事に書いてあること。
- ターミナルレートはFRBの予想と同じ5.25%~5.5%が最も多い。
しかし、5.5%~5.75%を予想する人も多くなってきている。 - 年後半の0.25%~0.5%利下げ予想から利下げを行わない予想が急上昇している。
市場の政策金利予想に変化
先週のブログでも取り上げましたが2月3日に発表された雇用統計は、下記表の通り市場予想を上回る数値が発表されアメリカ労働市場の強さが認識されました。
また、今週はFRB高官から「利上げ継続、年内利下げ予想なし」と言ったタカ派発言が相次ぎました。
これまでもFRB高官による「利上げ継続、年内利下げ予想なし」と言った発言は有ったのですが、2月3日の雇用統計が発言内容に現実味を持たせる形となっています。
ターミナルレートの市場予想が修正
こうした流れを受けて市場参加者の政策金利予想が変わりつつあります。
CMEのFed Watchツールによると23年1月10日時点では、23年3月FOMCに最後の利上げが行われ23年5月FOMCでは利上げが行われず、4.75%~5.00%がターミナルレートになると予想されていました。
しかし、2月11日時点では23年5月FOMCでも0.25%の利上げが行われ、ターミナルレートが5.00%~5.25%になるとの予想が74.2%を占めています。
23年6月FOMCでは利上げは行わなず、5.00%~5.25%で据え置く予想が48.4%を占めています。
しかし、さらに0.25%の追加利上げが行われ政策金利が5.25%~5.50%迄引き上げられると言った予想が38.4%と浮上してきています。
5.25%~5.50%は22年12月FOMCで発表されたFRB高官の政策金利予想中央値5.1%より高い数値となり、年初市場が予想していたターミナルレート4.75%~5.00%より0.5%高い数値となります。
今年が始まった段階では年後半に米経済がリセッションに突入し、23年12月FOMC時点では合計0.5%利下げが行われると予想され株価は上昇していました。
現在の12月FOMCの政策金利予想を見ると、最も多いのが35%の確率で4.75%~5.00%予想となっており5.00%~5.25%から0.25%分の利下げが行われると予想されています。
しかし、5.00%~5.25%予想が31.8%と年内の利下げがない(もしくは、5.50%~5.75%から0.25%分の利下げ予想)と考える市場参加者が多くなってきています。
上記の通り市場参加者はFF金利の急騰が景気後退をもたらし、FRBが利下げを実施すると言った期待が縮小している事が読み取れます。
FRBは基本的に利下げを行う事により景気回復へと導き、雇用の最大化を狙います。
しかし、先日発表された雇用統計から雇用情勢が強いことが認識され、FRBは雇用の最大化を狙って利下げを行う必要がないとの見方が強まったのだと思われます。
今回は市場の政策金利予想に変化が出ている事について記載してきました。
また、次回もよろしくお願いします。
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