インフレの鎮静化は来月わかる?

今週の振り返り

今回は昨年から起こっていたインフレが解消する可能性について記載していきます。

この記事に書いてある事

  • 3月CPI,PPIの数値は市場予想を下回る結果となり、インフレ懸念の後退が期待される内容に
  • CPIは昨年の6月にピークをつけたことから、今年の6月迄は対前年比数値は自然落下する。
    今年の7月以降も対前年比で下落していれば、インフレ鎮静化の可能性が非常に高くなる。
  • PPIは昨年の3月にピークをつけている。
    来月発表の4月での対前年比数値が下落していれば、インフレ鎮静化への期待は非常に高い。

今週の株式・債券市場の振り返り

4月10日~4月14日の債券市場(2年債、10年債)

1週間を通して利回りは上昇。
CPI,PPIが予想より低い数値となり、5月FOMCでの0.25%利上げにて利上げ終了の見込みが強くなった事から2年債の上げ幅が10年債と比べて限定的となる。

水曜日に発表されたFOMC議事要旨で利上げ停止議論が行われた事が判明。
景気悪化懸念により債権が買われ利回りは上昇。
しかし、木曜日に発表されたPPIがCPIに続いて予想より低い数値となり、市場はリスクオンムードとなり利回りは上昇。金曜日にはFRB高官のタカ派発言を受け利回りが上昇しました。

4月10日~4月14日の株式市場(主要3指数の動き)

3指数共週間でプラスにて終了しました。
債券利回りが上昇したため、ナスダックよりダウが強い展開となりました。

水曜日に発表されたFOMC議事要旨で利上げ停止検討が判明し、景気悪化懸念から株式が売られました。
しかし、CPI,PPIの予想を下回る結果を受け株価は上昇。金曜日はFRB高官とタカ派ア発言と、ミシガン大学消費者信頼感指数の1年先のインフレ期待値が4.6%と高い結果となり株価は下落しました。

エネルギー価格下落による物価指数の下落。インフレ終了は来月判断?

エネルギー価格下落がCPI下落の立役者

4月12日に発表されたCPIの数値は総合が前月比、前年比にて市場予想を下回る結果となりました。
また、コアについても予想通りの結果となり、全体を通してみると市場予想を下回る結果となりました。

明細を確認するとエネルギーが下落を牽引

CPIの明細を確認するとエネルギーの項目のマイナスが目立ちます。
これは昨年2月にウクライナ侵攻が始まり、世界のエネルギー価格が急騰した事により対前年比数値では大幅上昇しているためです。
また、コアの部分では中古車価格が対前年比で大きく下落しています。
これは昨年の今頃は半導体不足による新車供給台数が大きく減少したことにより、中古車への需要が急増し、中古車価格が急騰していたためです。
このように昨年の今頃に上昇していた項目が対前年比での下げを主導したと言えます。

一方青色で示した住居費と医療用品は、価格が上がりにくく、下がりにくい粘着性がある項目と言われている部分です。
この部分については、今回も大きな下落は見られませんでした。
今後はこの項目が下落しないとCPIを下支えするような形になる事が予想されます。

CPIは6月以降が本番?

昨年のCPIを振り返ってみると6月にピークを付ける迄は上昇トレンドを維持しており、昨年の3月も上昇トレンドの最中でした。
そのため、現在のCPI対前年比は昨年の上昇中の時期との比較になるため自然落下局面であると言えます。
こうした事から昨年ピークを付け下落が始まった22年7月との比較となる、23年7月以降のCPI対前年比において下落が確認できるがが重要となります。
もし、23年7月のCPI前月比が下落トレンドを維持していた場合はインフレの終了を示す内容となると考えられます。

PPIもエネルギーが下落を主導

4月13日に発表されたPPiは総合、コア共に予想を下回る結果となりました。
また、総合,コア共に前月比でマイナスの結果となり、生産者物価指数ではインフレの下落基調が期待されました。

明細を確認するとこちらもエネルギー下落が主導

PPIの明細を確認するとこちらもエネルギーの下落が目立ちます。
また、サービス項目ではエネルギー価格の影響を受けやすい輸送関連がマイナスとなっており、材料,サービス共にエネルギーの下落が主導したものであると考えられます。

しかし、OPEC+は4月2日に協調減産を発表し、それを受けたWTIは窓を開けて上昇。
現在も上昇後の水準を維持しています。この結果がどのような影響を及ぼすか注視する必要があります。

PPIは来月が本番?

PPIは昨年3月にピークを付ける迄は上昇トレンドを形成しており、今回発表されたPPI対前年比は昨年のピーク時との比較でした。
昨年4月から今回発表された23年3月までのPPI対前年比の数値は上昇中との比較になるため、自然落下局面であったと言えます。
下落トレンドに転換した22年4月との比較となる、来月のPPI対前年比の数値が重要となってきます。

4月PPIの対前年比下落が確認できれば、インフレ鎮静化の期待大

以下のチャートはCPIの対前年比とPPiの対前年比を表示したものです。
このチャートからもPPIが22年3月にピークを付けた3か月後にCPIもピークを記録しています。
このことから、PPIはCPIの3か月先行している指数と言える事から来月のPPI対前年比の数値が下落し、PPI対前年比が下落トレンドを形成していればCPIにもその結果が反映され、インフレ解消されたと考えられると思います。

今回は今週発表されたCPIとPPIについて詳しく見ていきました。

また、次回もよろしくお願いします。

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